別れのサンバ。
 
 
 
■ 今ぐらいの季節になると、長谷川きよしさんの曲を聴く。
 歌詞そのものに、今となっては時代や若さを感じて気恥ずかしくなるところもあるが、それがどうしたというところもあって、私は黒いセーターが好きだ。
 10代の頃だろうか、ピアノをやっていた女子学生の部屋にいりびたっていて、片手でいくつかを弾いた。両手は使えないからである。
 煙草ふかしたりして不良なのだが、挨拶はきちんとしていたのだから可愛いものだった。