戦時標準船 4.
 
 
 
■ なにかものをつくるということには、身を削る部分がある。
 時間であったり対価であったり、人生の一部分をそのために費やしているという側面がある。
 自分だけではなく身内やその周囲、ひととの関わりのある一定の部分が、そのために影響を蒙っているという残酷な事実である。
 つくる、という単語を仕事や商売などに置き換えてもそれは同じだろう。
 時々そんなことを思い出してはうんざりもするのだが、今東京は銀杏が綺麗である。