GREEN.
 
 
 
■ 緑、と名がつくと何かいいことをしているような気がする。
 これが青だと、やや知的な風情をカモシ出したりして、本質的にはどうでもいいのだが、仕事の場合にはいわゆる色のイメージというのはフォントの選別と同じくらい重要になってくる。
 個人の好みと一般的なそれには随分と乖離があって、私の場合ほとんどがマイノリティに近いと自覚はしていた。
 吉行さんが自らを「マイナー・ポェット」と規定していたがその気分は痛い程分かる、と書いてしまっていいものか。
 
 
 
■ ところが、世の中にはマニアというのがいるのである。
 目利きと言わないところが節度だと思っていただきたい。
 
 
 
■「何故だかわからないが、あなたを愛している」
 という緑坂を随分昔に書いた覚えがあって歯が浮くけれども、何故だかわからないが生理的にイヤである、ということも同じくらいにはあるのだった。
 言われたことありませんか。