投げ売りバレンタイン。
 
 
 
■ いつだったか新宿にいた。
 定価いくらのバレンタイン用の花が、今ならいくらです。
 と、大きな声を張りあげている妙齢がいる。
 青いブルゾンを着て、花屋の店先。
 
 
 
■ 私は雨の中、手袋をしていた。
 西口に喫煙コーナーがあって、その廻りは別枠の世界になっている。
 近くによろうかよるまいか。
 考えていると花の彼女と眼があい、互いににやりと笑う。