アメリカの反知性主義。
 
 
 
■ という本がある。
 リチャード・ホーフスタッター著:田村哲夫訳:みすず書房刊行。
 表紙にデザインされているのは、例のマッカーシーの写真。
 50年代初頭、アメリカではいわゆるマッカーシズムという旋風が吹き荒れていた。
 映画人、例えばエリア・カザンの転向は後々まで語り継がれている。
 
 
 
■ 今、棚の奥の方にあるのですぐに引用はできない。
 刊行が2003年。グローバリズムの弊害が次第に語られて始めている頃合で、訳者の田村さんのあとがきが私には印象に残っていた。
 教育という分野で、またはアメリカの各種階層を分析する視座として、この反知性主義と宗教という問題は避けては通れないものである。
 進化論を教えることが反発を招くような社会。神がいて自分があり、実用に即しないものは余技として軽んじられる社会。
 そのくせ、なにもかもを呑み込んでしまい、同時にそのほとんどを排出してしまう社会。
 
 
 
■ 簡単にそう言ってしまえるのかどうか。
 確か岩波文庫に「マッカーシズム」という本があったことを覚えている。
 買っただけで数頁を捲っただけなのだが、例えばNYの路地裏の店では、ハンフリー・ボガートとアイゼンハワーが飾られている。
 アイゼンハワーの副大統領はニクソンだった。
https://www.kitazawa-office.com/NyPhoto/view/Nyphoto67m.html