すこし濡れた散歩 6.
 
 
 
■「夜の魚」を書いていた頃、ガス・スタンドに妙齢の姿はまだ珍しかった。
 牛丼屋やラーメン屋に独りで入れないわ。
 という声があちこちから聴こえていた頃合である。
 連れて行くと珍しがられた。
 調子に乗って、鶴のマークの国営航空の客室乗務員の方を秋葉原デパートに案内して見事に呆れられた覚えもある。
 
 
 
■ どちらにしても時代性なのだが、当時何食かを節約して買った「ドガ・ダンス・デッサン」が棚の奥にあって、吉田健一さんの訳はいいものである。