スラムの惑星 4. 
 
 
 
■ 東京にスラムはあるか。
 と、言われれば実はある。
 サンパウロや上海のように、明確に区切られていないからであって、通りを一本隔てたところにある民家やワンルームには、一部屋に10人が寝泊りしていたりする。
 郵便受けと、壁に貼られた政党のポスターに一貫性がないことで僅かに知れるだけなのだが。
 
 
 
■ マイク・ディヴィスの「スラムの惑星」を捲っていて、私は「第9地区」というSF映画を思い出した。
 ロケ地が南アフリカというだけではなく、例えばそこにいた主人公にとってスラムの住人は異邦人なのである。