責任なき戦場 2. 
 
 
 
■ 同書で面白いと思うのは、上からの指揮系統に関わるものである。
 引用する。

「果たしてこれだけの兵力増強で、大本営をはじめとする上級組織は、インパール作戦ができると思っていたのだろうか。今岡参謀は、述懐する。
『できるとは思ってなかったでしょうなあ。この範囲で、どうにかどこかちょこっと突っつくくらいなところだろうと。
綾部さんもこりゃダメだなぁと言うておられましたよ。
ただ作戦という奴は(略)、ほんとうに水ものなんです。だから、発令する方も、これだけしか認められないけれど、これで何とかやれやということですよ』」
(前掲:90頁) 
 
 
 
■ これだけしか認められないけれど、これで何とかやれや。
 という台詞は、組織の中にいたり、または関わったりした方々には日常的な台詞だと思われる。
 後は自給自足。
 上は曖昧な言い方しかしてこない。