一穴について。 
 
 
 
■ 誰某に似ている。
 と言われたことはあれこれある。
 が、それは半分投影なのだろう。
 写真家ってこういう感じ、おねえちゃんカメラマンならこう。
 作家先生はこうで、葉山や鎌倉近くならこうかな。
 あるいは都会を捨て、山や海の近くに移ったとか。
 しかし彼は私がなにをしているか知らない。互いにである。 
 
 
 
■ 私は安売りをしていたジーンズを履いていた。
 ウエストに股下がいくつ。と書くと格好いいのだろうが、どうせ乾燥機をかければ縮む。靴は同じものを3足目である。一穴なのだ。
 黒ないしは濃紺のブルゾンを羽織っていたのだが、これ原宿で限定と言っていた癖に、その後銀座でセールしていたのはなんでだ。
 擦り切れてる。