眠らないで。
 
 
 
■ ちょっと舌がざらついて、煙草のせいだろう。
 一杯目の酒を嘗めはじめた。
 さっきまでデスクの上で頬杖をつきながら、妙齢のサイトを読んでいた。
 多分30と少しだろうか。
 西の沿線に生息していてアートに興味があり、IT系の仕事で無理をする。
 秘書検定なんか持っていたりするので、なんともいえない。
 彼女は実家に戻ったり戻らなかったり。時々は深夜バスの切符を買っていた。
 泣くところがないと、サイトで泣くのである。