もう一度夢がみたくて。
 
 
 
■ 泣いたこともあったっけ。
 というのは、シェイクスピアの中の一節である。
 訳は定番の福田恒存さん。
 いつだったか大岡さんの本を捲っていたら解説を福田さんが書かれていて、互いにかつて知ったる仲であるからして、半分は悪口の言い合いである。
 そこには愛というかなんというかが秘められているもので、私はにやにやしながら眺めていた。
 
 
 
■ こういう悪友交歓のようなやりとりは、一般にはなかなか理解されない。
 照れるというある種の文化のようなものは、基本的にお坊ちゃんお穣ちゃんの果ての特質だと最近は思うようになった。