12月の花束 スリー。
 
 
 
■ 世代的には、日活全盛期から大分後である。
 何故だかわからないが、若い頃から裕次郎や旭の歌が好きだった。
 東京タワーが見えるというだけで、部屋を決めたことが何度かある。
 そこにも壊れかけたディスポーザーが付いていて、深夜、シンクが分解しそうな音を立てながらスイッチを入れるのははばかられた。
 
 
 
■「トラブルバスター」という、私は佳作だと思う作品があるのだが、いわゆるバブルの頃合、東京の都心部または片隅というのはコンクリがヒビ割れていた。
 景山さんが創った主人公は愚かなムスタング・マッハ?か何かに乗っていて、格闘技マニアである。離婚暦があり、なにかとバカヤローと叫ぶ愛すべき局長がいて放送作家がいる。
 
 
 
■ 景山さんのいいところは、ご自身が車好きだったというところだろう。
 資料を継ぎはぎして文章力だけで書いたものとは違う、若干の無駄とコクのようなものがあった。
 悲劇的な最後というかなんというかについては略す。
 それもまたあの時代の感受性とサービス精神の果てなのか。とも、今にしては思う。