1981 デイヴィス。
 
 
 
■ 随分と前のことである。
 人形町か浜町のあたりで諸先輩と隣り合わせた。
 JAZZファンならご記憶にあるだろう。
 アンダー・ザ・スカイをプロデュースされていた。
 とある新聞社の事業部に属されていたらしい。
 
 
 
■ 多分今の私くらいの年齢だろうか。
 髪には白髪が混じり、上下、当然のように中国製ではないスーツ姿である。
 カウンターだけの小料理屋。
 内儀は御多分に漏れず、東海林さだおさんの漫画に出てくるような色気であった。
 私は生意気にもいさきの塩焼きをつついていた。
 
 
 
■ 見ず知らずの若造に、酒を奢ってくれるほど大人の世界は甘くはない。
 そこでマイルスの話になる。