白い象に似た山々。
 
 
 
■ 映画評というのは、なかなか難しい。
 単独で読めないものが多いからである。
 個人的には、田中小実昌さんと阿佐田哲也さんのそれが按配で、棚から落ちてくるとぱらぱらと捲っている。
 どちらの方も、自他共に認めるはぐれ月だからである。
 
 
 
■ はぐれたフリをすることは案外簡単で、例えば組織に長くいた人など、ちょっと崩した形をしたくなる。
 それが、もちこたえられないのである。