洲崎パラダイス。
 
 
 
■ 先日、川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」を斜めにみた。
 斜めというのは、時々早送りしながらということだが、モノクロームの画面にある1956年の東京は不思議に新鮮だった。
 イントロとラストに出てくる橋は、勝鬨橋。
 そこからバスに乗って今で言う東陽町の辺りまで流れるのだった。
 
 
 
■ 映画にはアーチがあって、そこには「洲パラダイス崎」とネオンがかかっている。
 埋立地から盛んにダンプトラックが出てきて、この辺り一体が再開発されているのだと知れる。
 敗戦、第二次世界大戦が終わってからまだ11年。赤線廃止は映画の2年後である。
 
 
 
■ ぐずらぐずらとした男女関係というのはいつの時代にもあるものだが、単に性的な繋がりだけでなし、先へゆこうとするでなし。
 生活力のない男と少し蓮っ葉な狐顔の女というのは、ちょっとばかし絵になっていた。