おぼろ月夜。
 
 
 
■ 深夜、茶碗酒を嘗める。
 拾ってきて数時間経った桜の花弁は、酒に浮かべておくと皺が伸び、色があるかないかに白い。
 私は、そのあたりにある大きめの茶碗を使った。
 萩とか備前という感じでもない。
 これが白磁だと、パジャマの前をはだけていると叱られそうである。