ALL MINT POUCHES 3.
 
 
 
■ 坂道を黒のマセラティが上ってきて、シャッターの前で止まっていた。
 時々みかける奴で、内装はタンだろうか。
 この年式のものはそう壊れもせず、踏めば大加速もしたりして、ちょっと無理をすれば手が届きそうなところにある。
 
 
 
■ 原宿手前の交差点の街路樹に、風船が一月近く引っかかっていた。
 枯葉の季節である。
 いつも見上げては、まだあるね、と思っていたものだった。
 近くに神社があり、その細い路地から赤のマセラティが出てきたこともあって、そのドライバーは女性である。