雨の受け皿。
 
 
 
■ ある一定の年齢を過ぎると、人生は総力戦のようになってくる。
 という説がある。
 例えば多少の才能の有無や、それを継続させるための人一倍の努力、または係累や出身などということも、半分はどうでもよくなってきたりするのだという。
 それ以外のものたち。
 自分だけではどうにもならないもの。
 配偶者や長年のツレとの関係だったり、子どものことであったり、その背後にある様々な人たちとの微妙な距離や厄介の問題なのだろうカ。
 つまりは、厚みのようなもの。
 目には見えないのだが、漠然とそんなものが左右しているのだなと感じることもあった。