リノ・バンチュラの睫毛。
 
 
 
■ 歩き方といえば、ジョン・ウェインは内股である。
 腿が互いに触れ合うようにして、酒場に入り、バーボンを喉に放り投げてから殴り合いをする。騎兵隊の制服は案外にぴっちりしているのだ。
 仏映画ではジャン・ギャバンやリノ・バンチュラなどにも感じるのだが、男らしい外観と行動の中に、ふっと女々しいものが透ける。
 これは分かるひとにしか分からない感触で、また例えば二丁目の現役を退いたママなどには半分だけは同意して貰えるだろうか。
 
 
 
■ あらちがうのよ。
 やぁねえ。
 と、会話が続くのが少し鬱陶しい季節ではある。