旅の麦茶。
 
 
 
■ この時間からだと素泊まりである。
 いきつけのところがいくつかあって、案外に安く泊まれるのだが、あまり遠いところは無理のようだった。
 見た目は立派なシートなのだが、どう調整してもぴったりするところがない。
 意味なく厚いのはなんのせいか。
 例えば7人乗りの最後部に乗せられているご老人がいるが、あれも親不孝な話である。
 本来はトランクのある辺りにシートを作ったものだから、ピッチングが甚だしく、つまりは淋しいのである。