海沿いの土地で 4.
 
 
 
■ といって、峠の下りで軽トラに煽られる。
 地元ナンバーである。
 まいったなこれ。
 という按配で、左に寄せて窓を開け、先へいけと手を振った。
 奴はオーバー・レブさせながら、ハザードを二回点けそこからシフトアップしていく。 
 
 
■ 一般に峠の下りでは、馬力や車の車種は一切関係がない。
 300出るという単車が、ちょっといじった50のCBに抜かれたりする。
 頂上で待ち構えていたりして、これは10代の遊びなのだが、膝にコーラの缶を潰したものをくくりつけるのは80年代からだった。
 
 
 
■ 地元ナンバーの軽トラや営業車は馬鹿にできないものである。
 配偶者を得る前もしくは得た後の、あり余る自尊心と地元を愛する心と残業代カットの通達が、オーバー・レブを辞さないものにしていく。