安吾のカレー 2.
 
 
 
■ 生活。あるいは生活感というものを確認したくて発作的にそうしたのではないか。
 という説がブンゲーや文学史の世界にはある。
 それはそうかもしれない。
 
 
 
■ 安吾は畢竟、育ちのいいお坊ちゃんであった。
 ボッチャンであるから長い間の貧乏に耐えられたという話もあって、この辺りは名の知れた革命家の素性を振り返ると分るという。
「革命」とはある意味道楽のようなもので、明日食べるものがなかったらすぐに尻を割ってしまうのである。