春のまぼろし。
 
 
 
衰えし舞姫あはれ圓山に来ては
落花を踏みてかえりぬ
 
 
■ 吉井勇さんの歌である。
 吉井さんにはこんなものもあって、今うろ覚えで書いてみる。
 
病み上がり吉弥がひとり河岸にでて
河原蓬に見入るあはれさ
 
 
■ 字句の使い方など間違っているかもしれない。ご寛恕のほど。
 吉井勇さんと言えば「かにかくに祇園は恋し」の句で知られる程京都好き、また遊び好きと言われていたのだが、果ての景色をきちんと眺めておられた。