踊りながら北へゆくひと 2.
 
 
 
■ 列島、北端の桜というのを見たことがない。
 未だ見たいというところまでは切実ではないのだが、これが後20年もすると別の気配になってゆくような気もしている。
 
 
 
■ 西行というはぐれた男が中世にいたが、残るのはその句から知れる彼の自我である。
 似たようなことを思っていたのだなと、時の隔たりを忘れて、なんということだろう。