夜汽車ふたつ。
 
 
 
■ そういう日本語はないわよっ、とかいう声が聞こえてきそうである。
 携帯のアドに数人の妙齢からメールが入り、あれこれ個性があった。
 絵文字を入れて、最後に「しみじみ」と書いてきたトカゲのねーさんもいれば、今原宿にいるから暇してたらこないかしら、とか誘う落花生の産地のひともいた。
 彼女は面食いである。
 私は、寝癖を立てながら年末の雑事に追われ、そのくせ壊れかけたソファの上で柳田さんの「零戦も湯」じゃね「燃ゆ」を読んでいた。
 これは名作である。雑誌「丸」を30冊ほど読むとそれが理解される。いいんですけどね。
 
 
 
■ 今からは無理よ、化粧に時間がかかるから。
 とか返信して、気分は二丁目の年末であった。