年下。
 
 
 
■「だって楽なんだもん」
 と、彼女は言った。
「でも、何時捨てられるか分からないし」
 とも付け加える。
 
 
 
■ そこには失われた若さがあって、そのことを半ば自覚していても認めてはいなかった。
 若い男にとって年上の女が魅力的に視えるのは、少年と青年の境くらいまでであって、男が成熟してゆくにつれ、まぶしさは減じてゆく。
 そういう話を何処かで読んだ。
 
 
○昔坂 93年