この際カアチャンと別れよう。
 
 
 
■ はいはい。
 と、いう按配で、大きなボリュウムでクレイジーの曲を聴いていた。
 信号で停まると、やや恥ずかしい。
 クレイジーの曲の多くは青島幸男さんが書いているのだが、青島さんも知事になんかならなければねえ、と個人的には思う。
 野暮でした。
 
 
 
■ クレイジーの歌を聞き流すことができるときというのは、精神に薄っすらと余裕がある頃合いで、これが〆切前などの日常であると旨くはゆかない。
 つまり、リストラや不景気などいうものが比較的遠いところにあった時代の残滓だからで、付け加えると、東京に住む背広組の主題歌だったからでもある。
 小津監督が描いた東京は恐らく杉並区界隈だった。
 まだ路面は舗装されていず、思いがけず路地裏が出てきたりする。
 
 
 
■ 実家のザイサン、すっかりなくなったあ
 この際カアチャンとワカレヨウ
 とほぼ怒鳴っているのだから、とんでもない歌でもある。
 ま、そこは流れで。